今週はいよいよ有馬記念。泣いても笑っても、これが今年の中央競馬の集大成となるレースです。
今年の話題はなんと言っても、障害の絶対王者、オジュウチョウサンの参戦です。夏に福島で平地復帰戦を快勝、10月には府中で1000万条件を勝っての参戦です。
馬券を超えた注目も集めることになりそうですが、現実的な馬券の視点でも、果たして勝負になるのかどうかは、ファンの皆さんの見解も大きく分かれるところではないでしょうか。
そこで今回は、血統的な適性から考察したいと思います。
ステイゴールド産駒の中山巧者ぶりは、ご覧の皆さんは百も承知かと思いますが、改めてどれほどの数値なのかをおさらいしてみましょう。
【中山芝2500m 種牡馬別成績】
期間:2011年1月~2018年12月16日
該当R:73R(929頭)
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ステイゴールド | 19- 16- 14- 81/130 | 14.6% | 26.9% | 37.7% | 66 | 88 |
キングカメハメハ | 4- 5- 10- 56/ 75 | 5.3% | 12.0% | 25.3% | 105 | 91 |
ハーツクライ | 7- 9- 6- 50/ 72 | 9.7% | 22.2% | 30.6% | 65 | 70 |
ディープインパクト | 4- 2- 5- 47/ 58 | 6.9% | 10.3% | 19.0% | 88 | 49 |
シンボリクリスエス | 3- 6- 1- 32/ 42 | 7.1% | 21.4% | 23.8% | 37 | 65 |
ジャングルポケット | 1- 1- 4- 33/ 39 | 2.6% | 5.1% | 15.4% | 24 | 33 |
ゼンノロブロイ | 2- 0- 0- 29/ 31 | 6.5% | 6.5% | 6.5% | 44 | 12 |
ネオユニヴァース | 2- 4- 3- 20/ 29 | 6.9% | 20.7% | 31.0% | 121 | 96 |
マンハッタンカフェ | 1- 2- 3- 20/ 26 | 3.8% | 11.5% | 23.1% | 28 | 71 |
タニノギムレット | 1- 1- 1- 19/ 22 | 4.5% | 9.1% | 13.6% | 23 | 53 |
キングヘイロー | 3- 4- 0- 14/ 21 | 14.3% | 33.3% | 33.3% | 98 | 113 |
(出走全馬) | – | 7.9% | 15.7% | 23.6% | 93 | 71 |
※ 回収率も記載していますが、サンプルが少ないため参考外と捉えてください。
ステイゴールド産駒の出走数が非常に多いのも確かですが、勝利数はダントツの20勝。勝率、連対率についても、他の種牡馬との比較では突出した高さです。「ステイゴールドの庭」と言われることもありますが、これを見ると決して過剰な表現ではないと言えます。
他の種牡馬では、ハーツクライが好成績を示しています。このあたりは自身が有馬記念を制している事からも、長くいい脚を使える適性が遺伝しているということになるかと思います。
不振なのはディープインパクト産駒で、切れ味に秀でた産駒が多いことからも、苦手としているのは頷けるところです。自身の国内唯一の敗戦がこの舞台だったというのも、象徴的な感じを受けます。
他の出走数の多い種牡馬では、キングカメハメハはほぼ平均的、自身が有馬記念を制しているシンボリクリスエスも決して悪くはありませんが、イメージほど良いわけではない、と言ったところです。
血統派にはお馴染みの基本的なデータだったかもしれませんが、このデータを見ると、オジュウチョウサンの適性が発揮される最も相応しい舞台が今回であることについては、異論の余地はないと言っていいでしょう。